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No. 5 ビルの上の住居に
光と風を

設計  大野 正博

暮らしがドラスティックに変わる下町の改装を見てきました。

写真1 
何の変哲もない町のビルですが内部は変わりました。

写真2 
3階にしつらえられた中庭を見た所です。向こうに子ども部屋があります。
写真3
中庭の床にも木が張られています。内部的に取り込もうということでしょう。空中という感じも庭木で消えています。

写真5
中庭。屋上への階段が見える。
写真4
子ども部屋から中庭を通してリビング空間を見たところ。庭をとりまく廊下も空間の広がりをつくりだしています。

写真6
屋上テラス。春から秋にかけてこのテラスは大活躍することでしょう。もともとあった鉄の手すりが見えないように内側に丁寧に木が打ってあります。欲をいえばテントのようなものがあると、さらに嬉しいかなと思います。

 東京下町の鉄骨造、3階建ての2、3階、そして屋上階の改装を見てきました。隅田川を越えて竪川の近く、といえばお分かりでしょうか。1階は作業場になっていました。家業を1階で、住まいは2、3階。典型的な下町の造りといってもいいでしょう。

 地方と違って、家族の住まいを移すと通勤距離は長くなる東京のこと-------職住を切り放すことはできません。でも、都会の中でも空間にゆとりのある暮らしをしたいとお施主さんは考えられたに違いないと思うのです

 大野さんの提案は屋上に穴を開けて3階に中庭をつくるものでした。それまで光の入りにくい中央の部屋を戸外にしてしまった。その結果、3階にもうけられたリビングはすばらしく明るくなっています。さらに、屋上に全面、板を張ることでテラスにしてしまった。
お施主さんは、この提案には驚かれたとか。都市の町屋としての新しい解といえるとおもいます。建築家のイマジネーションの展開に感嘆します。

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