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No. 20 宮之阪の家(大阪府)

設計 中村 潔

 どうも自分の家がそうだからという訳ではないのですが、コンクリート住宅が好きです。ぼくの場合世代的なものもあります。焼け跡の見はるかす焼け野原のなかにコンクリートのトイレだけが立っていた景色は未だに忘れられません。それにぼくの家は19坪の土地に建っていますから、隣近所への音の問題もあってコンクリートにせざるを得なかったと思っています。
 ただし宮之阪の家は、ぼくのそんな思いとは違ったところに立っているような気がします。デザインの明快さ、建築的な空間の配分の方法、さまざまな要素が見事に解けていると思います。

←写真1

外観。明快な箱、かたわらに屹立する1枚のコンクリート。明快さを絵に描いたようです。

写真2→

シンボリックな意味でこの写真をいれます。天井は空に抜けて、もう、この家を表現するには、これ1枚でもいいかとも思ってしまいます。これは奥へ通じる廊下の天井です。

←写真3

玄関の見返しです。玄関のガラス扉の手前にもう1枚扉があって、これを立てて、視線を遮ることもできます。

←写真4

3の写真の引いたところです。リビングになるこの部分の上部は吹き抜けていて開放感があります。

←写真5

4の見返し。この廊下はまっすぐテラスへと抜けていきます。この家の導線は一直線にとられていません。玄関はいったん右に入って、正面のガラス戸をさけるように回って入る。ようするに直線に取られてはいません。そしてリビングを抜けたところで右端に位置取りされていて、テラスまでの距離感を増し、複雑にされていると感じました。

←写真6

立て位置で見ると複雑な2階の部屋との関係、視線のやりとりの仕方がお分かりでしょうか。

写真7 ↑

キッチンです。

← 写真8

奥のリビング。ここにはもう一つの2階への階段があります。

写真9 →

カメラ位置の差で大分見え方が変わります。

←写真10

階段見上げ。天井はここも空へ抜けています。上がると両サイドに個室。個室には家の内部を見る窓があります。コンクリートの固い壁のなかでのコミュニケーションへの配慮を感じます。

写真11 →

階段の見下ろし。

←写真12

テラスサイドの一番奥の2階の部屋からの見返しです。部屋はつながっていなくても視線はつながります。距離感があって閉塞感が消えます。念のため書いておきますが、この家2階に個室が4つもあります。

写真13 →

家の中の窓の扉が、なんともいえずチャーミングです。

←写真14

13を引いたところです。

写真15 →

窓を、もう一度見上げてみました。


あらためて・・・建築のコンセプトが明快、表現もいさぎよくって、気に入っています。

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